ミラノデザインウィーク2025 出展のご報告

2025年4月7日(月)から13日(日)までイタリアのミラノで開催された「ミラノデザインウィーク2025」に、川口市の金属加工業5社が連携するプロジェクトチーム「BASE TIMES kawaguchi」として出展しました。来場者数は初出展の私たちにとって大盛況といえる26,740人となりました。

ミラノデザインウィークとは

ミラノデザインウィークとは、世界中のデザイナーやアーティスト、企業が集まる世界最大のデザインイベントで、毎年イタリアのミラノで開催されています。家具や建築、様々なインテリアデザイン、車など、ジャンルを問わない最先端の作品が展示され、街全体が展示会場のようになります。歴史的な建物や屋外スペースがクリエイティブなインスピレーションで満たされる、参加者にとっては交流と新しいアイデアを見つけるための特別な機会となっています。

動画は私たちの会場を取り仕切るMoscaPartnersが作成したルポルタージュビデオです。30秒くらいのところで「BASE TIMES kawaguchi」が紹介されています。

MoscaPartners 提供
video @francescomandelli

私たちの会場はミラノの中心部に位置する17世紀に建てられた歴史的建造物の「リッタ宮(Palazzo Litta)」でした。バロック様式の建築が特徴で、貴族が住んでいた豪華な装飾と洗練されたデザインは現在でも訪れる人々を魅了しています。文化的なイベントや展示会の会場としても利用されていて、特にミラノデザインウィークでは重要な会場になっています。そんな素晴らしい会場に出展することができました。

きっかけ

私たちが集まるきっかけとなったのが、2016年から数年開催された「川口オープンファクトリー」です。そこで、現在の「BASE TIMES kawaguchi」として活動している弊社を含めた5社が数年活動を共にしました。その後、自分たちの技術の製品をデザインで世に広めたいという想いで、2022年からの3年間は「川口まちこうば芸術祭」を開催し、デザイナーの石田 和人 氏(共立女子大学 建築・デザイン学部教授)とのコラボレーションが始まりました。そして、日本の日常にある普段美から着想したProductsの「Kawaguch-air」が誕生しました。

Kawaguch-airシリーズとメンバー
日本の古民家で撮影

waku-waku chier・waku-waku clock
日本の古民家で撮影

具現化する技術

ミラノでも石田氏とコラボレーションし、雨上がりの水たまり、夕立の雨模様、折り紙や建具の繊細なラインなど、各町工場が異なる技術を持ち寄り表現した「Kawaguch-air」の金属製チェアシリーズとクロックシリーズを発表しました。マエダが製作した「Kawaguch-air」の名前は「waku-waku」です。取扱製品である扉をイメージしてデザインされました。最初に製作した「waku-waku」から、機能性保ちつつ重量を軽くするなど改良を重ねて現在のデザインに仕上がりました。
椅子が開いて閉じることに興味を示す人、薄い板で作られているにも関わらず強度面や座り心地が良いことにも驚く人が多く、5社の椅子の中では1,2を争う人気となりました。石田氏の思い描くproductsを、普段の業務である鋼製建具を製作する技術を用いて具現化することができました。
また、「waku-waku」だけでなく、各社の技術が具現化させたチェアシリーズとクロックシリーズ。そして、5社の技術をアルミ製の大型フレームで紹介するインスタレーションは、歴史ある会場の雰囲気と素晴らしく融合していました。

確かな設計と柔軟な現場対応

マエダは自社のチェアとクロックだけでなく、各社のチェアやクロックの設計と製作も協力しています。また、5社の技術をアルミ製の大型フレームで紹介するインスタレーションの設計・製作も行いました。
現地の設営に関しても弊社が中心となり、「BASE TIMES kawaguchi」のメンバーとの連携は勿論のこと、現地の設営スタッフとも言葉と文化の違いを超えてコミュニケーションを取って現場対応しました。メンバーのほとんどが普段の業務の中で施工することはなく、現地スタッフともぶっつけ本番の関わりのため、設計の段階でいかに簡単に設営できるかを重視し、また、海外輸送のコストを削減するために、サイズの制限がある中での効率的なパーツ分けと重量を軽くしつつも強度が保てる設計を行いました。現場では設計以外の問題も発生しましたが、それらを全てクリアーして無事に完成させることができました。

新しいコトへの挑戦とグローバルな展開へ

新しいコトの一つとして、現在展開中のマエダと新光ステンレス研磨が共同で立ち上げたインテリアブランドである「空のカケラ」からは金属時計を数点発表しました。こちらも興味を示す人や写真を撮る方が多くいらっしゃいました。


マエダは、約80年前にガラス店から始まり、樹脂、金属と加工できる材料を増やし、取り扱える営業品目も増やして現在に至ります。今や本業となったこれらも当時は新しいコトへの挑戦でした。
そしてまた、新しいコトへの挑戦として、マエダにとって初の試みとなるグローバルな展開として、海外の展示会「ミラノデザインウィーク2025」へ出展しました。会場に訪れた世界の人々に、川口市や日本のものづくりの魅力、マエダの設計力や技術力、「BASE TIMES kawaguchi」の世界観を伝えられたと手ごたえを感じています。多方面の方々ともご挨拶させていただき、前向きなお言葉も多数いただいています。反響を次に繋げ、また新しいコトへ挑戦し、私たちはものづくりを続けていきます。

ご協力いただいた皆さま、会場にお越しいただいた皆さま、活動を応援してくださった皆さま、共に進めていった皆さまへ、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

BASE TIMES kawaguchi 出店情報

■会場
MoscaPartners Variations,
Palazzo Litta, CorsoMagenta 24, Milan

■会期
4 月6 日(月)12:00 ~ 19:00(プレスビュー)
4 月7 日(火)- 13 日(日)10:00 ~ 20:00

■総合ディレクション・デザイナー
石田 和人(石田和人デザインスタジオ/共立女子大学 建築・デザイン学部教授)

■参加企業 / BASE TIMES kawaguchi
株式会社かねよし 株式会社栗原精機 株式会社新光ステンレス研磨
フジテック株式会社 株式会社マエダ

■協力
川口商工会議所

■現地コーディネーター
水 ともこ(mizu creative design lab)

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